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Twitter::TheLastWill::archive::12

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これは http://twitter.com/TheLastWillTwitterでの投稿を再構成したものです。@TheLastWillについては Twitter::TheLastWill で説明しています。

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  1. 小さい頃から伸ばし続けていた自慢の髪を切った。一度も切っていない、と言うと大げさだけど梳いたり毛先を整えたりする以外に鋏を入れていないのは事実ね。失恋?ふふっ単に気分転換よ。あとずっと重荷だったし。髪を切ったことで文明がいくつか滅亡しても、もう私には関係ないこと #twnovel
  2. 朝は珈琲の香りで目が覚めるのが日課だった。朝食はご飯に味噌汁が長らくの習慣として染みついていたが、妻が淹れてくれる珈琲は格別で、次第にそれでないと物足りなくなってしまった。今は私が娘たちの為に毎朝用意する役目になっている、なかなか妻のように淹れることはできないが #twnovel
  3. 「か、缶珈琲でも買ってこようかッ?」公園のベンチで俯いて泣く彼女は、黙ってギュッと僕の腕を握った。うん、珈琲は好みじゃないようだな。僕は何故こんな事態に。まさか告白したら泣かれるとは。20分後ハンカチ代わりに袖を切るかと考えてたら、ようやく嬉し泣きだと説明された #twnovel
  4. 朝起きたら死体になっていた。医者に診てもらったが働くのには支障が無い、と言われた。確かに業務に問題は無かった。強いて言えば顔色が悪いがそれは同僚も似たようなものだ。夜の生活も随分前から無かったし。休日、妻は子供たちと出かけ私は死体だからと家にいる。もう感情もない #twnovel
  5. コートが欲しくなるような寒さだから澄んだ夜空を見渡せている。星空を見ようよ、と誘われて久しぶりに遠出したのはいいけれど、今夜は月が煌々と輝いて残念ながら星を眺めるには向いてないようだ。君はそれが不満そうだけれども、僕は月に照らされて君の顔がよく見えるから満足だよ #twnovel
  6. 僕は末端冷え性だからと、ついっと足先をそらしたが君は逃げる足首をはさんで「私は血行がいいのよ」。そりゃ結構、と返したら「なにそれ」と言って背中を向けてしまった。僕は後ろから抱きしめるようにして、君の手を掴み温める。足のお返しだ。だから腕枕を噛むのはストップしてね #twnovel
  7. 震えを抑えられなかった。令嬢ベス。父親はお店のお得意様だけど飽きっぽい彼女の扱いは酷いものだ、先月ブタのプーは引きずられて無残に綿が出ていた。可哀想なプー!ぬいぐるみの僕らには死刑宣告に等しい。彼女の指がゆっくりと指す「これ…」やったッ僕じゃない「…からここまで」セレブ買いかよ!
  8. 死人に口が無いのは封じられる為だ。大抵は適切に封印される。だが遭難した者に処理は出来ない。すると四拾九日の晩、骸は旋律を奏でる。誤った認識が広まっているが、この音色自体に害は無い。ただ美しい調べに魅了された者は次の行動をとる、命を絶って自らも楽器となるか、それとも他者の命を奪うか
  9. 「人類の叡智を後世に残す為、立派な図書館が必要だ」「それには十分な土地が」「耐震性など災害への備えも必要だろう」「紛争に巻き込まれない為、政治的に安定な国が」「管理する司書も不可欠だ」ここはこうした議事録を保管する図書館。後世に残すべき図書館は未だ完成していない #twnovel
  10. 一緒にお風呂に入った後、膝枕をして娘の耳掃除をするのが日課だった。私自身幼い頃、母にはよくしてもらったが親になってその意味を理解したものだ「今日タケシ君とケンカしたでしょ、ダメようちゃんと謝らなきゃ」「えーどうして知ってるの?」「ふふ、ママはなんでも分かるのよ」 #twnovel
  11. 低身長のメリットは枚挙に暇がありません。衣類、食事、住居あらゆる点で、背が高いまたはメタボな人に比べ低コストで維持でき、省エネでありエコです。それでいて能力は遜色ありません。いかがですか?むしろ背が低いことこそが新時代のステータスです!(見合い写真の説明文から) #twnovel
  12. 「単に魚を与えるのではなく、釣り方を教えねばならない」という教訓を胸に、私は図書館の作り方を伝えた。本の保管、管理の仕方に加え利用者の学ぶ意識向上と司書の育成にも力を入れた。だが本の作り方を教え忘れてしまった為、私が帰国して間もなく本を巡って戦争が起きたと聞いた #twnovel
  13. 離れの祖父の庵に熊の剥製があった。幼少の頃は熊は生きており祖父は豪胆にも飼っているのだ、と信じていた。それほど見事で、今にも動き出しそうな迫力だった。その為、怖くて滅多に離れに近づかなかった。現在は祖父は鬼籍に入ったが、庵にいた祖母も生きていたのか気になっている #twnovel
  14. そこは発掘された文献によると、聖地と呼ばれかつては世界中から多くの人々が訪れ、大変賑わっていたらしい。当時の言葉で「紅葉のように赫く焼き尽くされた大地」を意味した名の街「秋葉原」は先の大戦で灰燼と化し、現在は瓦礫の砂漠に墓標のようにエアタグが漂っているだけである #twnovel
  15. 「消費者庁は、不慮の交通事故で子供を失った親へ譲渡されたクローン人間に、製造段階で食品衛生法で使用が認められていない遺伝子組み替え大豆を与えたのは表示義務違反に当たるとし、回収及び廃棄命令を下しました。ただしクローン人間に健康被害は今のところない、とのことです」 #twnovel
  16. 相手の死ぬ時期が分かる能力を持っている。だがそれを告げても運命は変わらなかった。占いにもならない。次第に周囲から怖がられ、死神とまで呼ばれる始末。私自身、人の死が事前に分かっても気分の良いものではない。今は人里を離れ、夜空を観て暮らしている。また超新星を発見した #twnovel
  17. 「欧米では、ゆったりしたベットに横たわりながらカウンセリングを行うのが主流です。そうしてクランケの緊張をほぐし、リラックスして相談を訊けるわけです。当医院では患者第一主義がモットーです、いかがですか?」「……そろそろ白衣を返してくれないかね」「分かりました先生」 #twnovel
  18. 部屋の中央で白熱灯が揺れている。体が火照り、覆いを脱ぎ捨て裸電球になると蛍光灯は思わずグローランプを灯した。そしておもむろにのしかかり、スパイラル型蛍光灯は1秒間50回の速さで攻めたてる。部屋の中央で熱いフィラメントが揺れた。その光景をLEDは冷たく照らしている #twnovel
  19. 壁一面に並んだ戸棚の抽斗を引くと、青年が寝ていた。彼らを起こし夢見の内容を記録するが私の仕事だ。いずれも能力に秀でた者達だが毎夜夢を見るわけではない、そうすると黙って閉め、次の抽斗を開ける。彼らの語る夢の記録がやがて役に立つらしいが、その本は埃が積もり続けている #twnovel
  20. 心臓に刀が刺さっている。しかしレントゲンには何も映らないらしい、胸から突き出た刃はどうやら私だけしか見えないようだ。生活に支障はない、別に心も無くしてない。ただ彼女を抱きしめなくなった。僕の刀で傷つけてしまうかもしれないから。それでもそれなりにうまく過ごしている #twnovel

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